皆さんは、＜境界→きょうかい＞と読んでいると思います。
でも、仏教では、＜境界→きょうがい＞と読むのです。
今月の言葉、「見あげる空に 垣根なし」。
私は、「垣根」の代わりに、
＜境界→きょうかい＞or＜境界→きょうがい＞に置き換えて
考えてみました。
まず、「見上げる空に ＜境界→きょうかい＞なし」。
＜境界→きょうかい＞は、
土地の境目、境界性人格障害、境界型糖尿病、、、
ボーダーラインと言うことですね。
「見上げる空に 垣根（境界→きょうかい→ボーダーライン）なし」
確かに、見上げる空には境界線はありません。
それなのに、人間は境界線を引くのが好き。
国と国との国境。自分と他人との間に作る壁。
その為に、人類は戦争で苦しみ、
人は心の悩みを抱きつつ苦しみの人生を送る。
今月の言葉は、「空を見てごらん、境界線もないし、区別もない。」
それなのに、どうして境界線を引くのですか？
と、お釈迦さんが問いかけているような気がします。
お釈迦さんは、
人は、「眼・耳・鼻・舌・身・意」で外部から情報を受け取る、
そして、その情報を人の心を毒する、三毒
（欲が深い・怒り、憎しみ、怨み・愚かで正しく判断できない。）
に変えてしまう。
お釈迦さんは、この三毒の処方箋を説いています。
例えば、戒定慧の三学。
（法然上人は、そこから、お念仏を説いています。）
なんだか難しくなりましたが、
「見上げる空に 垣根（境界→きょうかい→ボーダーライン）なし」
と、通じていると思います。
さて、＜境界→きょうがい＞の方はどうでしょうか。
＜境界→きょうがい＞は、
「善悪の報いとして人間が受ける境遇・・・無量寿経」とあります。
そうすると、
「見上げる空に 垣根（境界→きょうがい→境遇→世界）なし」
垣根≠＜境界→きょうがい＞となります。
娑婆での私の行い、あなたの行いによつて、
その善悪の結果として受けなければならない境遇（世界）。
そうです、あの六道（地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、
人間界、天上界）、声聞界、縁覚界、菩薩界、仏界。
さて、あなたは、見上げる空に
住む世界（＜境界→きょうがい＞）がありますか？
話は変わりますが、今、釧路ではラッコのクーちゃんが
大変な人気です。
（経済効果５千万とも１億とも言われています。）
そのクーちゃんの歌。
「見上げる空に 禍機（かき）ネなし」
（禍機（かき）とは、災いの起きるきざし）
「見上げる空と 貝殻あり」
（見上げる空には、人々の笑顔。釧路川には豊富な貝殻）
皆さん、最近、空を見ていますか？
クーちゃんの様に、
空を見上げたら、人々の笑顔が一杯見えたらいいな
南無阿弥陀仏
釧路浄土寺 わたべ徳史
