平成１9年1１月の言葉

　　　　　　　　　み名を称えて
　　　　　　　　　　　　生きぬく

順彼仏願故
皆さんは、「み名」と言う言葉を知っていますか。
年配の方は、多分、天皇陛下を連想すると思います。
「み名」≠「御名（ぎょめい）」
御名御璽（ぎょじ）の御名は君主の署名。
御璽とは君主の公印。
キリスト教徒の方は、多分、イエスのことを
連想すると思います。教皇ベネディクト１６世は
「「み名」とは、世界と歴史の中で、救いをもたらす生ける聖なる方のこと」
である、と述べています。

さて、仏教徒は何を連想するでしょうか。
淨土眞宗の生活信条に
『み仏の誓いを信じ、尊い「み名」をとなえつつ、
強く明るく生き抜きます。』とあります。
即ち、「み名」とは「南無阿彌陀佛」を意味します。
ただし、親鸞聖人は「み名」を称える以上に
阿弥陀如来の御心を聞くことを大切にする、
聞名の教えであります。

善導大師の「散善義」に
『一心専念　弥陀名号　行住坐臥　不問時節久近
念々不捨者　是名正定之業　順彼仏願故』
（一心に弥陀の名号を専念して　行住座臥に時節の久遠を問わず
念々に捨てざるをば　これを正定の業と名ずく　
かの仏の願に順ずるが故に）
平易な言葉で言えば、
「み名（阿彌陀佛）」を称えれば、必ず浄土に救われる、
阿彌陀佛の本願によるので、、、」
と言う事になります。

私達は、誰もがこの世でも、あの世でも
心の何処かで、何かを求めています。
魂の救いを。
心の安住を。
それを見つけることなく、ただただ、年を重ねるだけです。

今月の言葉は、
「み名＝阿彌陀佛を称えて、生きぬく」
と逞しく、力強く、生き方を示しています。

今一度、生涯の心の杖として
南無阿彌陀佛・南無阿彌陀佛・・・・・
と、称えてみたいものです。





南無阿弥陀仏

釧路浄土寺　　　　　　　　わたべ徳史