平成14年4月の言葉

これならできる
          それで行け

     You can do it , go for it !

  

  春ですね!。
   春は、「出会いと別れの季節」と言いますが、あなたの4月は如何ですか?。
   私も過去を振り返ると、春に新しい世界に飛び込んだ事が何度もあります。
   人は、新しい世界に飛び込むとき、「何を思い・何を考え」て決断するのでしょうか?。
   「何となく」・「縁があって」、と消極的に思える事もあります。また、人智の及ばない
   運命のような不可思議な働きを感ずることもあります。
   でも、心の底には、「これならできる」と、選択する心の作用が働くのではないでしょう
   か・・・?

   あなたは、「これならできる」、と自信を持っている事がありますか・・・・?
   「もちろん、ありますヨ」、と答えたあなた。
   「これならできる」と言う事、いくつありますか・・・?。
   他の人より多いと思いますか?。
   「他の人より多い」、と答えたあなた。
   「これならできる」、と自信を持っている事は、いつでも出来ますか?。
    いつまでも出来ますか?。
   
   私は、あなたを誘導尋問しているのではありません。
   もちろん、マインドコントロ−ルしているのではありません。
   ただ、「
一人(イチニン)一日ノ中(ウチ)ニ、八億四千ノ念アリ、念々ノ中(ナカ)の
   所作(ショサ)皆是レ三途(サンズ)ノ業(ゴウ)トイエリ
」、と「勅修御伝にあります。
   要するに、私たち凡夫の心は、一日のうちに、八億四千回もコロコロと変わる。
   それ程いいかげんで、不安定なものだ。
   だから、「これならできる」と自信を持った次の瞬間に、「これはできない」、と
   自信をなくするのが、人間の本当の姿であると仏教は説くのです。
   
   私は、「これならできる」は、誰もが絶対的な価値のあるものでなければならないと
   思います。  
   だからこそ、「それで行け」、と断言できるのだと思います。
   法然上人は、念仏こそ、誰でもが、何時でも、何処でも出来る「南無阿弥陀仏・・・・」
   の名号に「これならできる」、と万人救済の釈迦の教えに気づかれたのだと思います。

   

           合掌                   浄土寺     わたべ徳史





 
   或ハ金谷ノ花ヲ、モテアソビテ、遅々タル、春ノ日ヲ、ムナシク、クラシ、
   或ハ南楼ニ月ヲ、アザケリテ、漫漫タル、秋ノ夜ヲ、イタヅラニ、アカス。
   或ハ千里ノ雲ニ、ハセテ、山ノカセギヲ、トリテ、歳ヲ、オクリ、
   或ハ万里ノナミニ、ウカビテ、ウミノイロクヅヲ、トリテ、日ヲカサネ、
   或ハ厳寒ニ、コホリヲシノギテ、世路ヲ、ワタリ、
   或ハ炎天ニ、アセヲノゴヒテ、利養ヲ、モトメ、
   或ハ妻子眷属ニ、纒ハレテ、恩愛ノ、キヅナ、キリガタシ。   
   或ハ執敵怨類ニ、アヒテ、瞋恚ノホムラ、ヤム事ナシ。
   惣ジテ、カクノゴトクシテ、昼夜朝暮、行住坐臥、時トシテ、ヤム事ナシ。
   タダホシキママニ、アクマデ、三途八難ノ業ヲ、カサヌ。
   シカレバ、アル文ニハ、「
一人(イチニン)一日ノ中(ウチ)ニ、八億四千ノ念アリ、念々ノ
   中(ナカ)の所作(ショサ)皆是レ三途(サンズ)ノ業(ゴウ)トイエリ
」。
   カクノゴトクシテ、昨日モ、イタヅラニ、クレヌ。今日モ又、ムナシク、アケヌ。
   イマ、イクタビカ、クラシ、イクタビカ、アカサントスル。

      

                                「勅修御伝・・・32-精進」


   

                       今月は、チョット難しくなり、御免なさい。   
                      要は、日常的な「これならできる」は相対的で、
                      宗教的な「これならできる」は絶対的。
                      この娑婆で、どこまで近づく事が出来るか?
                      そこに、仏の教えがあると言う事です。

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